いとこのけいちゃん 〜中編〜

 

けいちゃんはその時福岡の女子大の4年生で、実家にやってきたのは8月の頭から9月の足先まで県内の大学で行われる司書講習を受けるためだった。司書とは図書館を管理したり図書館の本を整理したりする人のことをいうらしい。

 

「図書館で働くのに資格いるんだ...」

けいちゃんから事情を聞いた時は静かにそう思った。

 

地元でもかなり過密な教育スケジュールで有名な高校に通っていたぼくの夏休みは、高校3年ということもあって8月から2週間ほどしか休みをもらえなかった。そしてその夏休みの間も地元の予備校の自習室を借りて毎日勉強していたから、夏休みなんてあってないようなものだった。

 

ところで実家といってもけいちゃんが泊まっていたのはじいちゃんの家で、その隣に両親と兄弟が住んでいたけど兄弟4人分の部屋がないということでぼくがじいちゃん家に住んでいた。あと両親がいる家は会話がなくて空気がいつもピリピリしてたからあそこにはいたくなかった。

 

夏休みが明けて8月の下旬から2学期が始まってからもけいちゃんは家にいた。

毎日朝の7時40分から夕方6時まで9限分の授業があってクタクタになって帰っても

けいちゃんの「おかえり〜」があった。

 

両親の家だといつもピリピリしていて無視されることがザラだった。

楽しい話でも愚痴でもけいちゃんは真剣に聞いてくれた。

 

夏に一度だけぼくより1個下のいとこのヒロくんが来た時、けいちゃんもヒロくんも真剣に話を聞いてくれるし、なにより会話が楽しかった。ヒロくんとけいちゃんはお互いに深い信頼関係で結ばれているのを見て、

 

「これが家族かぁ.....」しみじみ思った。

 

けいちゃんは優しくて面倒見のいい人だった。晩ご飯を食べる時も配ぜんをあまりにもテキパキとこなすので聞いてみると、どうやら飲み会で身につけたものらしい。けいちゃんは女子大上がりの完璧なJD(女子大生)だった。そしてVネックのシャツから微妙に見える谷間は夜中の18歳にはこたえた。

 

言い忘れてたけど、けいちゃんは黒髪のショートボブだった。

やっぱり本田翼じゃん。もうこの流れあきた?

 

そして9月に入った頃、ぼくの全生命が問われる危機が訪れたのだった......

 

 

 

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