「高知でヒッチハイクをしてパトカーに乗った話 中編」


〜前回のあらすじ〜


高知にてヒッチハイクで乗せたくれたおじさんの車にスマホを置き忘れていたことに気づいたものの、時すでに遅くおじさんは姿を消していたのであった。

そして十字路のななめ向かいに学校があることに気づいたスズキは失くしたスマホを取り戻すためグラウンドに足を踏み入れたのだった...

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学校の門の上にでかでかと掲げられた「須崎中」の看板とそれよりも小さなゆるキャラ「ちいたん」のイラスト。あたりがすでに薄暗くなる中、グラウンドにいるサッカー部のコーチらしき人に校舎の入り口を聞き、職員室へ向かっていった。

「すみません、大分から来た学生なんですが...」

高知の人は観光に優しい。
そんな(一方的な)思いを胸に職員室を訪ねた。

すると、女性の先生が来てどうしたのか事情を聞いてきた。そして、自分が

・現在大分の大学生
・大分からヒッチハイクの旅で高知に来た
ヒッチハイクの途中で乗せてくれた人の車にスマホを 置き忘れた

ことを説明した。

そして先生たちに懇願した。

 「iPhoneを探す機能で今スマホがどこにあるのか調べてもらえまんせんか?」と。

「場所が分かればあとは電車やタクシーを使って自分でなんとかします。スマホがないと旅を続けるのが困難になります。調べてもらうことはできないでしょうか?」

職員室にはまだ10人ほどの教師がいた。
あたりも暗い中バックパックを抱えた若者がいるので珍しかったのか、数人の教員がやってきた。そして先生同士で話し合った結果、教頭先生に一度相談することになった。

1、2分後に教頭先生がやってきた。
50代前後の男性で、長く教員生活を送ってきたせいかどっしりとした貫禄があった。
「旅でスマホがないと困るもんね。いいよ、ちょうど俺iPhoneだから。調べるよ。え〜と、iPhoneを探すアプリだっけ」

そう言って教頭先生はスマホの位置を調べてくれた。

『うぉぉ....ありがたやありがたや.....』
心の中では両手をすり合わせて感動。

そして教頭先生の周りに興味があってか3、4人の先生が集まっていた。

「お!でたでた!!え〜と、中土佐町...中土佐町だね」

中土佐町須崎市から2駅ほど乗り越えたところにある場所だった。調べたものの、測定範囲が半径50メートルほどで、具体的にどこにあるのかあいまいだった。教頭先生は紙に地図を書いて、どのあたりに自分のスマホがあるのかを説明してくれた。

「ここから先は警察に頼んだ方がいいね。
スマホのあるエリアは飲み屋のあるところだから、
乗せてくれた人も車から離れてどこかで飲んでるかもしれないね。」

あたりはすでに真っ暗になっていた。2キロほど離れたところに警察署があるらしいものの、スマホがないなか署まで行くのは難しかった。

「よし、警察署まで君を送って署の人にこっちからも事情を説明するから。先生、今からちょっと外に出るよ。スマホ見つかるといいね」

他の先生たちにもそう言うと、教頭先生は机の引き出しに入れていた車のキーを取り出した。

「よし行こうか」

ありがたや先生方.....ありがたや先生方.....
旅は道連れ世は情け。

そうして教頭先生のアルファードに乗り、
須崎警察署へ向かうのだった.....


つづく.....

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