今年の個人的トップソング2018 第7位、第6位

 

第7位 該当なし
第6位 ハンバートハンバート - 虎

 


Humbert Humbert - Tora [Official Music Video]


男女二人組のデュオ、ハンバートハンバートの曲。
2010年に発表されたこの曲は、今年のアルバム「FOLK2」で再収録された。ハンバートハンバートを知ったのは今年の5月。深夜にテレビをつけると、Eテレハンバートハンバートとお笑い芸人ナイツの対談番組があった。ちなみにこのMVでピースの又吉が出ているのは彼がハンバートのファンで友情出演しているため。

曲名の虎は、小説「山月記」の李徴をモデルとしている。

高校の頃学んだことのある人はどこか馴染みがあるかもしれない。

李徴は若くして中国の官僚になるものの、対人関係の不和から詩人になるため退職。しかし詩人として成功できずに復職するも、自分よりも劣っていたかつての同僚が出世し今では彼らから命令を受ける始末。プライドがズタズタになった李徴は発狂して「虎」になった。

 


「尊大な羞恥心と臆病な自尊心」に苦しみ、
「浅ましい人食い虎」に身を落としてしまった李徴。

『最近では、「自分」の時間よりも、「俺」である時間が増えている。意識を持つ「自分」は、それを振り返るたびにとても苦しい。でも、無意識で過ごす「俺」はその苦しさがない。だからいつか、この「自分」が消えてしまえば、「俺」はしあわせなんだ。』

ヒトの心を持つ「自分」は苦しむが、自我を意識しない「俺」である状態の虎になることで、幸福を感じることができるようになった李徴。
この話では、自意識による苦しみとそれに解放されることが幸福につながるということを教えてくれる。

この曲ではなかなか曲が作れないミュージシャンの苦しみが穏やかに歌われている。そして、李徴のような「自意識の苦しみ」を誰しもが共感する感情としてこの曲のメッセージにしているのかもしれない。

 

李陵・山月記 (新潮文庫)

李陵・山月記 (新潮文庫)

 

 
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ここからはぼくの感想ですが、この曲の歌詞は切ないですが、ぼくはあまりそういう風に感じません。むしろ曲そのものは明るい印象を受けます。なぜでしょうか?おそらく、この曲のコード進行が明るいからだと思います。暗い内容なのに明るくて少し優しい。そういう風に歌い上げているのがハンバートハンバートの良さであり魅力なのではと思います。