すうしぃの日常

大分生まれ大分育ちで大分在住、21歳の若造。別府市のAPUに通いながら、人生の大海原を絶賛迷走中。

なっちゃんとぼく 10ページ

 

10月の後半からなっちゃんは1週間に1度のペースで学校を休むようになった。
「最近さ、時々熱出ることがあるんよな〜。やけん大学病院で薬もらってきたんよ 」

聞けば熱が38.5度近くも出る時があるらしかった。

ただ彼女を心配することしかできない自分がもどかしかった。

11月の頭に席替えがあった。
ぼくは窓側の一番前の席で、なっちゃんは右隣の席になった。

マンガやアニメでよくあるような席。

あれほど心の中で大きくガッツポーズをした日はないと思う。

そしてなっちゃんとメールアドレスを交換した。

技術の授業ではなっちゃんと一緒にハンダごてをやったり、美術で机を合わせて自画像のスケッチをやったりもした。(なぜかぼくは髪が緑色の女装した自画像を描いていた。)美術の作業中はなっちゃんがボケてぼくがツッコミを入れたりした。

10回ツッコミを入れたうち9回くらいは空振りで終わった。

それでもたまにうまい返しができたら、

「今のツッコミいいじゃん !」
なっちゃんはそうほめてくれた。

隣を見ればなっちゃんの横顔。
入学式の時と同じ、右隣にいるなっちゃん

あの時は鏡越しでしか見れなかったけどこの頃には一つの実体として彼女を見れるようになった。

大きなひとみに淡いピンクのくちびる。

少しふくらんだ胸に栗色のショートボブ。

世界が色鮮やかだった。
この時がずっと続けばいいなと思った。
ほかに何もいらなかった。

「今日もなっちゃんに会えるかな…」
そう思いながら毎日通学路を歩いた。

なっちゃんに対する思いが強くなっていくのと反対に、彼女の休む頻度は増えていった。

そして12月のはじめ、
先生からなっちゃん
入院したことを知らされた。

 

つづく…

 

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P.S.
あと3ページくらいで終える予定です。