すうしぃの日常

大分生まれ大分育ちで大分在住、22歳の若造。別府市のAPUに通いながら、人生の大海原を絶賛迷走中。

なっちゃんとぼく あとがき

「なっちゃんとぼく」を無事書き終わりました。フウ....の一言に尽きる。 8月30日から書き始めたので、ちょうど1ヶ月となりました。自分のアパートや居候していた友達の部屋、電車の中やはたまたフェリーの中で書いたりしました。もともと10ページくらいを考…

なっちゃんとぼく 最終ページ

なっちゃんから返信が来たのは30分後くらいだった。 「ごめん。友達としていてほしい。」 それが彼女の答えだった。ぼくはその日のうちにメールを消した。 お互いに違う高校に入学してから、一度だけなっちゃんに会った。高校1年の地元の夏まつりの時だった…

なっちゃんとぼく 13ページ

ぼくはなっちゃんを抱きしめた。でもあの瞬間のことをあまりよく覚えてない。 覚えてるのは、いつものなっちゃんのにおいとブラジャー越しの胸の感触ぐらい。 「待っとんけん....」 「うん.....!」 そうしてぼくは病院をあとにした。星が輝く綺麗な夜だった…

なっちゃんとぼく 12ページ

「え!? すーさんどうしてここがわかったん?」彼女は驚いた顔でぼくの前に立っていた、幻ではなく一つの現前するリアルとして。彼女は今まで通り血色も良くて、目立った変化は見られなかった。それでも薄青色の病衣を着た彼女の姿が、愛おしさで今にも泣き叫…

なっちゃんとぼく 11ページ

なっちゃんの入院を知ったのは、夕方のホームルームの時だった。先生からは彼女が復学するのは難しいだろうと言われた。 そしてこうも言われた。 「どこの病院にいるかは教えられない」と。「何言ってんだ...?」理解できなかった。理解したくなかった。なっ…

なっちゃんとぼく 10ページ

10月の後半からなっちゃんは1週間に1度のペースで学校を休むようになった。「最近さ、時々熱出ることがあるんよな〜。やけん大学病院で薬もらってきたんよ 」聞けば熱が38.5度近くも出る時があるらしかった。 ただ彼女を心配することしかできない自分がもど…

なっちゃんとぼく 9ページ

7月になると部活の市総体が始まった。試合に出れるペア数が限られていたのでぼくは大会には出れなかった。友達の踏んでいるテニスコートとぼくのいた応援席の数メートルがあまりにも遠く感じられた。 なっちゃんのいた吹奏楽部は大会で金賞をとった。金賞に…

なっちゃんとぼく 8ページ

中学3年生になってからは、(1年から2年に上がった時と同じように)1日の深みも増していった。「最高学年」。そんな言葉にどこか酔いながら毎日を過ごした。1学期はいろんなことがあった。5月から体育大会が開かれ紅白に分かれて競いあった。ムカデ競争の練習…

なっちゃんとぼく 7ページ

1年ぶりに教室でなっちゃんに再会した。彼女と話したのもちょうど1年ぶりだった。大切な場所に久しぶりにたどり着いたような気分だった。 塾ではなぜかなっちゃんが先生にぼくのことを(率先して)紹介してくれた。 なっちゃん「せんせーすーさんって本当面白…

なっちゃんとぼく 6ページ

なっちゃんに気持ちを伝えられないまま2年生になった。 なっちゃんとは違うクラスになった。クラスの距離も教室5個分くらい離れていた。 小学生の頃から3年間なっちゃんと同じクラスだったから、なっちゃんのいないクラスは真ん中の欠けたジグソーパズルみた…

なっちゃんとぼく 5ページ

2泊3日の合宿のあとぼくはソフトテニス部に、 なっちゃんは吹奏楽部に入部した。 なっちゃんのパートはサックスだった。 一度なっちゃんとサックスのイントネーションで口論になった。 ぼく「サックスの発音ってサッ⬆︎クス⬇︎ じゃね?」 なっちゃん「ちーが…

なっちゃんとぼく 4ページ 

なっちゃん...どこだ…?少年自然の家の2日目の夜 なっちゃんは行方不明になった。なっちゃんと同じ班の女子だけでなく先生もあせり始めた。全体で外に移動して30分以上は経っている…その時、暗闇からすすり泣く声が聞こえた。なっちゃんがいた。手で涙をぬぐ…

なっちゃんとぼく 3ページ

古びた中学校でなっちゃんとの真新しい学生生活がはじまった。入学して2ヶ月目の5月に田舎である大分のさらに田舎の海沿いにある「少年自然の家」で2泊3日の合宿が行われた。合宿の目的は、生徒同士の親睦(しんぼく)を深めて集団生活に素早く順応させるとい…

なっちゃんとぼく 2ページ

クラスが間違っていないか何度も確認してゆっくりと教室に入った。その時、「あ ! す〜さん !!」いつもの聞きなれた声が耳に触れる。なっちゃんの声だった。制服姿のなっちゃん。いつもより一層大人びて見えた。自分より背が高いのもあって同い年というより…

なっちゃんとぼく 1ページ

6年前の12月の日暮れ時。家にあった古いお守りをポケットに入れて、 大学病院への見知らぬ坂を自転車で登り続けた。「そこになっちゃんはいるだろうか…」期待と不安を織り交ぜながら、街灯もない道をただひたすら登っていく。ただ、なっちゃんに会うために..…